ダンスの使いかた展

祈るため?盛り上げるため?コミュニケーションのため?
「私たちはダンスを使って何をしているのか?」
12組のダンサーとアーティストがその問いについて議論し
そこで得られた様々な答えを展示します。
観客に見せるため、だけじゃない。
人とダンスとの関わりの幅広さを感じてください。

この展示は終了しました。ありがとうございました。


私たちダンス井戸端会議は、この度「ダンスの使いかた展」を開催します。

本展では、「あなたはダンスを使って何をしていますか?」という問いへの参加作家それぞれの回答を作品と共に展示し、ダンステクニックの甲乙や、作品創作への評価ではない側面から、“ダンス的な振る舞いの根源的な⾯⽩さ”を多角的な視点で探ります。
例えば、⽇常を五感以上に味わうために⾝体を揺らしてみる⼈がいれば、気持ちいいコミュニケーションの⼀⼿段として言葉の代わりに⾝体の動きを送り出す⼈がいます。
作家の数だけある様々なダンスの“使いかた”を並べることで、ダンスの輪郭やダンサーの思考を浮かびあがり、日常を自らの身体と共に生きるすべての人に刺激となるはずです。

開催概要

ダンスの使いかた展

日時

2022年 1月15日(土)16日(日)
11:00〜20:00


会場

エキラボniri
西日暮里駅改札外コンコース横
(Beck’s Coffee Shop 横)
https://klass.co.jp/site/ekilaboniri/

※実際に配布されているチラシとはデザインが異なります。

展示構成(1/14更新)

❶「あなたはダンスを使って何をしていますか?」

展⽰タイトルと呼応した「あなたはダンスを使って何をしていますか?」という問いに対する出展作家からの回答を、テキストと映像・ビジュアルで展示。作家の数だけある様々なダンスの“使いかた”が並びます。

参加作家: アグネス吉井、有泉汐織(Crei-ru、安藤⾏宥・井塔由梨・ワカナミ所⻑、内⼭茜、遠藤七海、⾝体企画ユニットヨハク、杉本⾳⾳、Ne Na lab、はらだまほ、渡辺はるか(OrganWorks)

❷ 関連プログラム

ダンス井⼾端会議のこれまでの活動報告や、今回の問いを共に考える仲間を増やし、今後の思考につなげるためのメンバー発案の関連プログラムを実施。

  • YOUR ANSWER / 上井菜奈
    参加型コーナー。来場したあなたの回答を付箋に書いて、会場に残していくことができます。
  • drive -in- theater / Nishi Junnosuke・まつなみはる奈・久保田舞
    パフォーマーと観客の距離や視点の再発見を目指し、今回の「ダンスの使いかた展」では、展示物や会場も含めて実験・実践していきます。展示会場をレース会場に!
    実施時間:各日 15:15〜/18:15〜
  • #NoOneCallMyDanceDance / すてきなマテリアル(安藤行宥)
    ダンスと呼ばれていないものをダンスと呼んでみる実験です。「これもダンスに見えてきたかも?」そう思ったらぜひ、会場を離れた後もSNSから参加してください。
  • ダンス井戸端会議の本棚
    過去にダンス井戸端会議で登場した本や、井戸端メンバーお薦めの本が並ぶコーナー。立読み大歓迎です。
  • ダンス井戸端会議のこれまで
    これまでのトーク内容や活動記録を会場にてお読みいただけます。
❸リアルダンス井戸端会議

各⽇1時間のリアルダンス井⼾端会議を会場にて開催。 どなたでもご参加・ご観覧いただけます。
※新型コロナウイルスの感染拡大状況によりましては、予告なく変更する場合があります。何卒ご容赦ください。

  • 1⽉15⽇(⼟)14:00-15:00 井戸端テーマ:まとまらない集まりかたを考える
  • 1⽉16⽇(⽇)14:00-15:00 井戸端テーマ:パフォーマンスのアーカイヴィングを考える

タイムテーブル

1月15日・16日共通タイムテーブル 11時 OPEN. 14時 リアルダンス井戸端会議 15時15分 関連プログラム「drive in theater」17時 遠藤七海による「あなたはダンスを使って何をしていますか?」回答「ペデストエイリアン」18時15分 関連プログラム「drive in theater」20時 CLOSE.

「ダンス井戸端会議」とは

コンテンポラリーダンスをバックグラウンドに持つ、様々なメンバーが集まり井戸端会議(=雑談)をする会。

2018年、文化庁の「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」でコンテンポラリーダンスの団体の採択がはじめてゼロとなった危機感を背景として、同年10月に立教大学映像身体学科特任教授の砂連尾理と同学科卒業生の有泉汐織によって発足。以来、⽉⼀回のペースで精⼒的に活動を継続中。
東京ではなかなかダンサー同⼠が繋がる場がなく、まずは⾝近なメンバーでダンスについて考える会を開こうと雑談会からスタート。近年では舞踊史や関連学問などの勉強会やゲストを招いてのディスカッションの場としても機能している。
2021年12月現在、30名ほどのメンバーがそれぞれの関わり方で参加・活動する。メンバーは主に20-30代の、学⽣、フリーランスのダンサー、カンパニー所属ダンサー、制作者、劇場関係者、研究者など。

ダンス井戸端会議 Webサイト idobata.space

ダンス井戸端会議Twitter

これまでの対外的活動
・2020年8月〜2021年1月
コンテンポラリーダンス・プラットフォームを活用した振付家育成事業『ダンスでいこう!!』2020
NPO法人DANCE BOX/DANCE ARTIST VIEW2020「セルフカルチベート企画」選抜企画
『ダンスを外から見つめる・語る』実施
https://dance-it-is.com/program2020/db2020/

・2021年7月〜2022年2月
BumB東京スポーツ文化館/令和3年度チャレンジ・アシスト・プログラム 活動助成事業
『身体(芸術)を語る・拡張する・使い倒す』実施中
http://www.ys-tokyobay.co.jp/social/index.html#cap

参加作家

アグネス吉井
有泉汐織(Crei-ru)
安藤行宥・井塔由梨・ワカナミ所長
内山茜

遠藤七海
身体企画ユニット ヨハク
杉本音音

Ne Na lab
はらだまほ
渡辺はるか(OrganWorks)
上井菜奈

Nishi Junnosuke


作家プロフィール

アグネス吉井

白井愛咲とKEKEによる2人組ダンスユニット。2016年結成。街を歩き、外で踊り、短い映像をSNSに数多く投稿している。街歩きブログ「もやよし」毎月更新中。

https://aguyoshi.net/

 

有泉汐織(Crei-ru)

8歳よりクラシックバレエを始め、NBAバレエ団付属バレエスクールにて大畠律子、ABC-tokyoバレエスクールにてクリスティアン・マルティーヌ、三谷梨央に師事。立教大学映像身体学科にてコンテンポラリーダンスをチョン・ヨンドゥに師事。また、在学中は二瓶野枝主宰ダンスカンパニーNectに所属。卒業後、チョン・ヨンドゥのもと振付研究会を経て流留を発足。ジャンルを超えた作品創作と対話の場として自主公演「PoTaPa」を企画するなど、作品を通して思考する取り組みを行なっている。

https://shiori-ariizumi.jimdofree.com

 

安藤行宥・井塔由梨・ワカナミ所長

安藤行宥(写真左上)
井戸端メンバー。信州大学人文学部及び同大大学院卒業。身体論・芸術論などを学ぶ。研究テーマは空手を中心に格闘技や武術全般。在学中に現代限界芸術研究会を創設。
https://note.com/andyoukickhero

井塔由梨(写真右上)
音楽家。バンド・手羽先テレビジョンで作詞・作曲・ボーカルを担当。JAPAN MENSA運営委員。東京現代限界芸術研究会教祖。
https://linktr.ee/yuri_itoh

ワカナミ所長(写真下)
音楽制作ユニットUkiyo Irony Laboratoryで作詞・作曲を担当。信州大学に在籍し、専門は香港近代衛生史。現代限界芸術研究会にも所属。
https://www.nicovideo.jp/user/46465019/mylist/49841697

内山茜

舞踊家/俳優/演出/振付/映像制作など、分野を問わず活動する。2018年に第一子を出産し、以降子育てと創作の両立のための実践をおこなう。立教大学大学院現代心理学研究科映像身体学専攻博士前期課程修了。芸術総合高校舞台芸術科卒。

https://www.hitokura.org/

 

遠藤七海

1997年東京生まれ。
7歳よりダンスを始め、中高時代に演劇、大学でコンテンポラリーダンスに出会う。大学卒業後は制作として舞台芸術に携わりながら、ダンスインストラクターも務めている。
「都市」や「つながり」といったテーマで作品を制作、パフォーマンスを行う。日常のすべてにときめきを感じて生きている。

https://dance818123385.wordpress.com/

 

身体企画ユニット ヨハク

論理的思考を得意とする加藤と、身体性を基軸とする秋山の2人による、パフォーマンスを表現手法としてつくり方から開発するユニット。2016年3月結成。コンテンポラリーダンスを紙芝居と融合させた「やけに前衛的な桃太郎」、白線渡りをしながら踊る屋外ダンス映像作品「白線の湖」、Excelを用いて舞台上に複雑な動きの交錯を実現させる「スクランブル交差空間」など、形態・メディアを自在に変容させて作品を企画している。

http://ugokizukan.com/

 

杉本音音

1996年生まれ。立教大学現代心理学部映像身体学科卒。4歳より新体操とクラシックバレエ、15歳でコンテンポラリーダンスに出会う。関かおり、チョン・ヨンドゥ、GRINDER-MANの作品等に出演。その他、音楽・写真・演劇・テキスタイル・ヘアメイク・映像など他分野とコラボレーションでの企画、振付、作品制作、パフォーマンスを行う。身体を以って紡ぐ・思考することを目指して日々″今日のダンス″を探している。

https://neonsugimoto.jimdofree.com

 

Ne Na lab

杉本音音、遠藤七海による企画
身体を用いた実験を行い、それを元に考察をする。
科学実験に倣い実験ノート・レポートを作成。レポートはサイトにてアーカイブとして公開される。

https://ne-na-lab.jimdofree.com

はらだまほ

幼少期より井上恵美子に現代舞踊を師事。ニナ・ディプラ、Grinder-man、キミホ・ハルバート等の作品に出演。
言語と身体の関係性を中心に「おどり」について多面的に思考し、動作から「おどり」になる瞬間や身体が踊り出す瞬間にこだわって作品を紡ぐ。ジャンルや対象を問わずパフォーマンス・振付・ワークショップなど多様な活動を展開している。2015年より乳児のための舞台芸術に取り組み、海外公演に数多く参加。立教大学現代心理学部映像身体学科卒。

https://maho0518.wixsite.com/mysite

 

渡辺はるか(OrganWorks)

5歳よりモダンダンスを岡田香に師事。
コンクール漬けの日々を送ると同時に、中学生の頃、鈴木千穂の元コンテンポラリーダンスに出会う。
立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。大学在学中より平原慎太郎主宰のOrganWorksに所属し、作品に出演、振付アシスタントとしても活動。また、振り付けを手掛けることもあり、ダンサーの身体性の可能性を探る振付が特徴。

https://theorganworks.com
(所属団体のHP)

 

上井菜奈

4歳よりシンクロナイズドスイミングを始め、トレーニングの一環でバレエ・ジャズダンスに出会う。

Nishi Junnosuke

振付家/映像作家
1993年、鹿児島生まれ。京都造形芸術大学映画学科を卒業後、舞台分野で活動するアーティストとコラボし、ドキュメント映像を制作するなど、記録の保存・復元・共有について研究。Yokohama Dance Collection 2019 competition2にて振付家デビュー。最近では京都芸術センターにて
ブロードキャストをテーマに
敷地理・奥野美和・川村美紀子・渡辺佳奈とコラボレーションし
「distance:人それぞれの楽しい鑑賞距離」を発表。


メッセージ

ダンスってこういうものだよねという答えを明確に持っている人ほど、足を運んで見てほしい展示です。「そういえば、これもダンスかも!」という見え方を持ち帰ってもらえたら、日々がより一層楽しくなるように思います。

秋山きらら(身体企画ユニット ヨハク)

ダンスってなんだろう。これはきっと私だけでなく、多くのダンサーが、評論家が、研究者が、繰り返し問い続けている問いだと思います。植物の中にダンスを感じたり、幾度となく繰り返されてきた職人の動きに心動かされたり…あなたの日常の中にも、とってもダンスな瞬間が隠れているかもしれません。ダンスってなんだろう。様々なダンスの使い方を介して、自分なりの答えへの旅路をお楽しみいただければと思います。

有泉汐織(Crei-ru)

「~を使う」と言うとき、その「~」は自身の外部に位置づけられています。それが「ダンス」という使用者の身体そのものの活動であったとしても、「ダンスを使う」と語るときには踊る身体そのものを外在化することを意味しているはずです。「ダンスの使い方展」というのは、「ダンス」を身体の外部に置くことであり、外に置かれた「ダンス」によって、出展者それぞれの身体内部に閉じていた問いは外部へと開かれていくのではないでしょうか。

安藤行宥

『ダンス』と聞いて、どんなことを思い浮かべますか。
華やかな世界?ステージで踊る?ミュージックビデオに出演する人?

ダンスの動きや考え方が、思ったよりも身近なところで、
もしかすると、あなたのとなりでダンスが使われているかもしれません。

「こんな使い方があるんだ」「明日から使えそう!」
踊る以外のダンスのつかい方を知ってもらえたら嬉しいです。

内山茜

そういえば私はもともと音楽家になりたかったのだった。だけどピアノも歌もサックスも中途半端で、どうやら無理そうだな…と諦めかけた時に、「人生で音楽をやっていく上でダンスが『使える』のでは?」と閃いた、確かそんな感じだった。高校生の頃の話。

今は音楽とは別のことにダンスを使っている。人生の主題としてダンスに真正面から取り組むのもきっと素晴らしいが、杖のように傍にあって支え続けてくれるようなダンスもあって、それはそれで人間とダンスのごく自然な関係だと思う。

白井愛咲

いろんな方法、考え方、感性があり、「これです!」と定義できないダンス。答えのないもの探していくことは、苦しみもあり、醍醐味でもあります。私もその渦中にいます。1つの、「今」の答えとして提示してみたいと思います。ダンスが礎となって世界が広がっていく、様々なダンスの姿が共有されることを楽しみにしています。

杉本音音


クレジット

主催:ダンス井戸端会議
協力:東京都教育委員会・東京スポーツ文化館
会場協力:エキラボniri

ディレクター:秋山きらら
企画・制作:秋山きらら、内山茜、白井愛咲
展示設営:寺田鵬弘
テクニカルコミュニケーター:野村稔
Web広報:白井愛咲
グラフィックデザイン:さとうもえか
イラスト:朝際イコ
コピーライター:加藤航平
記録撮影:野村稔、大野正平

スペシャルサンクス:砂連尾理、NPO法人DANCE BOX、ナカヤケイスケ


お問い合わせ先

Mail : basicresearch.tokyo [at] gmail.com
※ [at]を@に変更して送信ください